muucの刺繍の日傘は今やすっかり定番人気のアイテムですが、もともとは試行錯誤の末に生まれました。

日傘の企画・デザインを始めたのは2012年の春夏シーズンからです。製造販売パートナーはオーロラ株式会社さん。国内の百貨店の1階にある傘売り場で展開されている品質の高い傘を扱っている、「傘のプロフェッショナル」の会社さんです。

 一級遮光のサマーシールド生地

一級遮光のサマーシールド生地を使用しています。UVカット率99%以上です。※カケンテストセンター測定
サマーシールド生地とは、 紫外線遮蔽効果に優れるフルダルポリエステル糸を使用した特殊生地に、新しく開発された三層構造からなる特殊加工をした生地です。強い日差しから熱も紫外線も遮り、お肌を守ります。

 服のブランドが傘を作ること

muucのお洋服は、糸から編みや織りによってオリジナルなテキスタイルを作ることを得意としていますが、傘の場合は機能面を製品として成立するものにしなければならず、デザインにいくつもの制限が出てきます。お洋服のテキスタイルデザインとは勝手が違うため悩みながら生まれた日傘でしたが、気に入ってご購入くださるお客様やオーロラ株式会社の皆様のお陰様で、muucらしいデザインのアイテムをお作りできるようになりました。 

 傘にほどこす刺繍について

muucのテキスタイルデザインの特長は「植物の造形」をデザインに落とし込んでいることです。この表現手法を日傘のデザインでも行っています。実際に手を動かして刺繍を行いながら図案を作り、その図案を機械刺繍で再現するため、大変手間のかかる方法です。しかしそれによって、より立体的な表現ができたり、糸の不規則な動きで個性的なニュアンスを出せたり、手で作る図案が「特別な刺繍テキスタイル」を生み出すと考えています。手刺繍で作った図案をコンピューターを使って再現してくれているのは、生産現場のデザイナーさんや職人さんたちです。現場の職人さんたちの高い技術やすばらしいセンスの助けがなければ、この繊細な刺繍の傘は作ることができません。

■ 数千色から組合せを作る色選び

毎回、色選びにはとてもこだわっていて、数千色の刺繍糸の中から、図案に合わせて組合せを選んでいます。色選びは、とても神経を使う集中力が必要な仕事です。頭の中にあるデザインをプロダクトに仕上げる上で、「色選びが命」だと言っても大袈裟ではありません。刺繍は立体的に仕上がりますから、光の反射や色の重なりによって見え方が変わります。そんな微細な色の変化も想像しながら、刺繍糸を選んでいます。時間がとてもかかる作業ですが、数千色の刺繍糸を目の前に、頭の中でイメージを膨らませます。

■ 絵画を描くようにデザインする

muucは「服をキャンバスに、気品と彩りを描く」をコンセプトとしていますので、日傘のデザインをするときも傘をキャンバスにしてその上に絵を描くようなイメージで行っています。日傘は季節の商品なので、夏の風景に溶け込むように、そして日々のコーディネートのアクセントにもなるアイテムなので、さまざまなシチュエーションに合うように。「上品」で「特別」な印象を演出できるように。そして、お客様が日傘を手にした姿を絵画に描くように。デザインを考えています。


暑い日もお肌を守り、気分を上げてくれます。様々な刺繍のシリーズで、それぞれ長傘タイプと折りたたみ傘タイプを展開していますので、ぜひご覧ください。

 

KuwaharaMariho
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