muucの次なる挑戦について

いつもありがとうございます。デザイナーの村松です。
私が20年以上続けているファッションブランド『muuc』。実は、muucでは今、新しいラインとなるコレクションの立ち上げを行います。

なぜ新しいコレクションの展開を考えたのか? その背景や想いをお伝えしたいと思っています。

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muucの課題①ターゲット層が限定的

muucはこれまで、国内の繊細な縫製技術や刺繍表現、ニットのテクスチャーにこだわり、丁寧に作ることを大切にしてきました。小さいブランドの私たちが活動を続けるためには、大企業が真似しづらい手の込んだものである必要があるし、世界観もオリジナル性が高いものが必要とされます。

ただその分、どうしても価格帯は高くなりますし、届けられるお客様の層が限られてしまいます。

このジレンマは、muucを続けていく中で常に頭の片隅にありました。


muucの課題②ますます厳しくなる国内の生産現場をなんとかしたい

そしてもうひとつ。
muucの服を支えてくれている国内の生産現場が、年々減少しているという現実があります。

協力してくださっている工場の方々の声を聞くたびに、ものづくりの現場をなんとか支えていきたいという想いが強くなります。
ただ、それにはやはり「たくさん売れること」が必要です。

服が売れなければ、発注もできない。発注がなければ、工場も立ち行かなくなる。工場が立ち行かなくなれば、私たちの活動もそこで終了です。
良いものを作るためには、良いサイクルを回す仕組みが必要なんだと、活動はじめてから常に感じています。

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もうひとつのmuucをつくろう

そんな中で生まれたのが、新しいコレクションライン、名前は 「amber(アンバー) Collection」 と名付けました。

muucの美意識や、服作りの考え方やクオリティはそのままに、もっと多くの方に届けられるようなライン。

ユニセックスで、素材は化学繊維や機能素材を使い、完全受注生産で在庫を持たないようにする。そうすることで、少しでも価格帯を抑える。
これまでmuucが積み上げてきた繊細な世界とは、少し異なるアプローチです。

でも、根底にあるのは同じです。
「誰かの暮らしに、そっと寄り添うような服」を届けたいという想い。
そして、それを通じて少しでも日本のものづくりの現場を支えること。


新コレクションのコンセプトについて

muucの本ラインでは、植物や有機物のテクスチャーや造形からインスピレーションを得て、生地の風合いや刺繍の立体感を大切に、「服をキャンバスに見立てる」ような発想でデザインを続けてきました。

一本の糸からストーリーが始まる。そんな服です。
時間がかかっても、丁寧に届けたいと思えるようなものを、ずっとつくってきました。

一方で、新しく立ち上げる「amber(アンバー)」は、少し異なる視点から生まれるコレクションです。男性デザイナーである私自身が、日常で着たいと感じる服。機能素材を用い、カジュアルでベーシックな構築的デザイン。
muucの感性を軸にしながら、まったく新しいフォルムで展開する完全受注生産のユニセックスラインです。

「amber(琥珀)」は、植物からできた宝石です。私が20年のブランド運営で得た経験を活かし、もっとたくさんの方が輝けるような服をつくりたいと、想いを込めて名付けました。

“muucを着たいけれど、少しハードルを感じる”という方にも手に取ってもらえる、そんな新たな入り口にもなればと願っています。

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新コレクション amber(アンバー)制作中

「服を通じた感動」をもっと多くの人に届けたい。だからこそ挑戦を続けます

私は、muucが培ってきた価値観や世界観をとても大切にしています。
けれど、今のmuucのままでは、届かない人がいる。だからこそ、muucの“外側”にもうひとつのmuucをつくってみたい。
そんな気持ちが芽生えました。

新しい挑戦には、不安も迷いもあります。
でも、ものづくりの現場があり続けるために、自分たちが活動を続けることができるように。
そして何より、もっと多くの人に「服を通じた感動」を届けるために、私はもう一歩踏み出そうと思います。

今月中には正式に発表できるよう動いています。どんな形になるかは、これからのお楽しみにしていてください。

muuc をずっと応援してくれている方にも、新しい挑戦を応援していただけるように全力を尽くしますので、何卒よろしくお願い致します。



■ 販売ページはこちら


https://www.makuake.com/project/amber01/

AdminFashionBrand 『muuc / ムーク』